クリスマスメッセージ

愛、信仰、希望

ホセ・ノレッラ神父(フィリピン宣教会)

今年の教会の典礼歴は11月26日、王であるイエス・キリストの祭日で終わります。12月3日、待降節第一主日に当たって、新しい典礼歴が始まります。

待降節というのはラテン語のADVENTUSから出ていて、「来られる」という意味をもっています。そしてベツレヘムにある馬小屋で生まれたイエス・キリストのご降誕に向かう四週間の準備のときです。イエス・キリストのご降誕というのは、神様ご自身がひとり子イエス・キリストを通して、人類に与えて下さったことです。それは私たちへの神様の愛の見えるしるしです。神様は余ったものから与えることではなく、最も貴重であり尊いものを与えて下さいました。そのプレゼント以上、ほかにいいプレゼントはありません。それは神様ご自身からです。そのプレゼントには神様の愛が込められています。プレゼントをいただく自分はふさわしい者であろうかなかろうか、神様はすべてを私たちに与えて下さいました。

イエスのご降誕は、私たちが神さまからいただいた恵みのうちで、私たちへのもっとも大きい愛のしるしです。クリスマスは、幼子イエス・キリストを通して、神様に感謝の心を表す最もいい時期です。

イエス・キリストを通して私たちは贖われます。

神様は私たちを一人ひとり、特別に作ってくださり、良いものを入れて下さいました。自分自身は気づいていないと思います。私たちからその良いものを出すために、それを探る、磨く、試す必要があります。それは金(きん)のような良いものです。純金を取り出すためにプロセスを行います。純金から必要のないエレメントをなくすために火で試されます。それで、自分の人生が複雑になったり、乱暴になったりしても、恐れないでください。それは自分から金のような良いものを取り出すためなのです。

この私が言いたい金のような良いものは神様が私たちの中に入れて下さった愛、信仰、希望のことです。私たちからこの良いものを取り出すのは試練が必要になります。愛を分かち合わなければ、愛に成長したかどうか、分かりません。痛みを経験しなければ、愛に成長したかどうか、分かりません。試みを経験しなければ、信仰に成長したかどうか、分かりません。神様を信じないと、また、信頼しなければ、信仰に成長したかどうか、分かりません。失望や挫折などを経験しなければ、希望に成長したかどうか、分かりません。誰か、何を失う経験がなければ、希望に成長したかどうか、分かりません。

このご降誕祭に、私たちは神様への愛、信仰、希望を更新し、深めるように呼びかけられています。神様が私たちを導き、神様の愛に留まるように送って下さったイエス・キリストに私たちの命を委ねましょう。私たちの金のような良いもの「愛、信仰、希望」をイエス・キリストに捧げましょう。

ホセ神父
ホセ神父

(「でめきん」秋冬号:2018年1月1日発行より抜粋)



























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